研究課題/領域番号 |
15K13251
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
平賀 健太郎 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (30379325)
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研究分担者 |
岡崎 伸 地方独立行政法人大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター(臨床研究センター), 臨床研究センター, 副部長 (40586161)
副島 賢和 昭和大学, 保健医療学部, 准教授 (00649436)
中尾 繁樹 関西国際大学, 教育学部, 教授 (50515369)
新家 一輝 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (90547564)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 小児緩和ケア / 学生ボランティア / 研修 / ホスピス |
研究実績の概要 |
前年度までの結果を参考にしながら緩和ケアの対象となる子どもに関わる際に必要な要素を検討した。その内容に即して病弱教育の実践家ときょうだい支援の専門家によって、ホスピス施設内で学び支援を行う学生ボランティアを対象とした専門性向上のための研修会を設定した。その後、研修会を受けた学生ボランティアのホスピス施設内における具体的活動を把握しその意義についての検証を行った。調査対象者は、研修終了後にホスピス施設での活動を継続的・定期的に行ってきた学生とした。データの収集方法として参加観察によるエピソードの記録とインタビューを用いた。その結果、ボランティアは利用者に対して「共にいることで安心感を提供すること」、「身体接触によるコミュニケーションを行うこと」、「大人の失敗する姿を意識的に提示すること」、「子どもの選択を重視した関わりを行うこと」、「活動に対して正のフィードバックを行うこと」、「未来への展望イメージを与える」といった事前研修で重視されていた関わりを提供しており、利用者が「よい人生」を送るために重要な役割を果たしていることがうかがわれた。対象者の中には活動する中でボランティアとしての自分の役割に意義を見出しにくくなる時期があったが、事前研修で学んだ内容を振り返ることで自らの果たす役割についての意味を導き出していた。また、利用者の心身に即応しながらの関わりが提供されるためには、ボランティア学生が心理的に安定した状態で活動することが重要であり、そのためには「他ならない自分だからこそ」できた関わりを本人が自覚できるようなフィードバックを行うことの出来る存在が重要であることが示唆された。
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