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2015 年度 実施状況報告書

読み書き困難児に対する教育的視機能評価法の確立~読書課題遂行時の視線移動特性

研究課題

研究課題/領域番号 15K13256
研究機関九州保健福祉大学

研究代表者

岡野 真弓  九州保健福祉大学, 保健科学部, 准教授 (80320498)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード読み書き困難 / 視機能評価 / 眼球運動
研究実績の概要

本研究では、読み書きに何らかの問題を抱えている児童に対する教育環境での課題遂行時の視機能評価として、読書課題遂行時の視線移動特性の評価法を確立することを目的としている。

平成27年度は、1)読みに影響を及ぼす視機能の検討、2)通常学級に在籍する読みに困難をもつ児(以下、読み困難児)の選定、3)読み困難児の視機能の特性把握とその評価に有用な検査項目の検討を行った。
1)18~30歳の41名に対して、視機能検査および読書時の視覚に関連する自覚症状調査としてConvergence Insufficiency Symptom Survey(以下、CISS)を行った。調節機能・輻湊機能の異常により、読書時の視覚に関連する自覚症状は強くなることが示唆された。調節機能・輻湊機能異常が読みに影響を及ぼす可能性が考えらえた。
2)通常学級に在籍する小学3・4年生184名に対して教研式Reading-Test[小学校中学年用(3・4年)]を実施した。読書力偏差値35未満(-1.5 SD未満)は17名(9.24%)であった。本結果に基づいて読み困難児の選定を行った。
3)通常学級に在籍する小学3・4年生93名を対象にCISSおよび視機能検査を実施した。読み困難児は読書時の視覚関連症状を強く自覚していた。視機能においては、読み困難児では視力、屈折、調節機能、輻湊機能、立体視、眼位に問題はないが、眼球運動の制御能力に問題があることが示唆された。読み困難児の視機能の特性把握に眼球運動検査が有用であると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初計画では、本年度に眼球運動測定装置を用いて、読み困難児の読書時の眼球運動について分析を行う予定であった。しかし、本年度は読み困難児の選定および刺激作成、実験手続きの整備、解析方法の検討までしか実施することができなかった。したがって、現在までの進捗状況は、やや遅れていると考えられる。

今後の研究の推進方策

眼球運動測定装置を用いて、読み困難児でみられる読書時の眼球運動特性を分析し、読書課題遂行時の視線移動特性を客観的かつ定量的に示す有効な指標を定める。さらに、その妥当性を検証し、読書課題遂行時の視線移動特性の評価法を確立する。

次年度使用額が生じた理由

本年度、眼球運動測定装置を用いて、読み困難児の読書時の眼球運動の記録を行うことができなかった。そのため、小児を記録するために使用する予定であった各種備品の購入費が未使用となった。

次年度使用額の使用計画

次年度、眼球運動測定装置を用いて、小児の音読時の自然な眼球運動を記録するために必要な備品を購入する。その他、学会発表のための費用および学術論文の作成、投稿するための費用として研究費を使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 調節機能、輻湊機能異常のスクリーニングにおける輻湊不全関連症状質問紙の有用性2015

    • 著者名/発表者名
      岡野真弓、内川義和、田村省悟、齋藤真之介、川野純一
    • 学会等名
      第56回日本視能矯正学会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム(東京都千代田区)
    • 年月日
      2015-11-07 – 2015-11-08

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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