本研究は、キャリアセンターにおける発達障害の学生の効果的な「キャリア意思決定を促す相談支援プロセス」を解明すること(目的1)、また、「支援者がそれらの知見を相談時に活用できるツール」を開発すること(目的2)を目的とする。 平成30年度は、清野絵氏(国立障害者リハビリテーションセンター研究所)の協力のもと、調査結果を分析し、学生の状況別の相談支援プロセスモデルとして整理した。また、2年間の調査研究を経て試作した、支援者向けのテキスト教材(Q&A集及び、相談時に学生の支援に利用できるイラストつきの説明文)を、発達障害のある学生の支援に携わる経験を持つ支援者の試用実践を経て開発した。このうち、作成したQを示す。
○学生の支援に当たり、自部署での対応をうまくすすめるポイントを教えてください/○ 来談時期が遅く、早期支援ができません。早期支援を行うためにはどのようにしたらよいでしょうか?/○自分の得意・不得意についての認識が不足しています。どのような支援が必要でしょうか?/○履歴書で自己PRを書くことが難しいようです。どのような支援が必要でしょうか?/○ 面接試験で何度も不採用になってしまいます。どのような支援が必要でしょうか?/○学生に「障害がある可能性」があるため、専門医の受診を勧めたいのですが、本人には気づきがありません。どのようなタイミングでどう切り出したらよいでしょうか?/○学生に障害者就労について情報提供する際の留意点を教えてください/○学生の保護者との連携にあたっての留意点を教えてください/○学生の支援にあたり、教員や学内の関係部署との連携をうまくすすめるポイントを教えてください/○学生に外部の専門機関を紹介する際の留意点を教えてください。
現在、内容について、各種専門家への照会を行い、内容及び表現の妥当性等の最終確認を行っているところである。その後、公開予定としている。
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