制限微小空間である高分子微粒子に内包する有機分子の相分離過程と析出・結晶化速度を精緻に最適化することで、分子~クラスター~有機ナノ結晶までの分散状態を制御し、特に、有機分子クラスターの物性-構造相関の解明を研究目的とした。ペリレン-ポリスチレン系を対象に「重合場相分離・ナノ結晶化法」の基本的な作製プロセスの確立を図った。ペリレンの分散状態について、定常励起光照射下での蛍光スペクトルおよび近接場走査型分光顕微鏡を用いて解析するとともに、高分子微粒子のナノ細孔構造を陽電子消滅法で評価した。その結果、分子分散とナノ結晶の中間状態と示唆されるペリレンの分散状態の存在が初めて示唆された。
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