フォトンとフォノンは類似性があるため、より高度に発展した光波制御技術を、フォノン制御によって熱流を制御する伝熱工学に応用することで、新展開をもたらすことが期待できる。本研究では、フォノニック結晶とよばれる人工周期構造を用いて、フォノンが本来持つ波動性を積極的に利用した熱伝導制御に挑戦した。 その結果、4Kにおいて完全な周期性を有するフォノニック結晶と、その周期性を乱した構造で熱伝導率が異なることを観測し、フォノンの波動性に基づいた熱伝導率制御を世界で初めて明確に示すことに成功した。この結果は、固体物理学におけるマイルストーン的成果である。
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