マヨラナ粒子は、非可換統計性や、量子計算への応用など、固体物理の魅力的な課題となっている。本研究では、分子線エピタキシーによりスピン軌道相互作用が強い高品質InSb量子井戸を成長し、1次元細線に加工するという方法でマヨラナ粒子の探索を行った。GaAs基板上にAlSb/AlInSbの厚膜バッファ層を成長することで、表面付近の貫通転位密度を大幅に低減し、移動度は低いが低温磁場下で2次元電子的な振舞いを観測した。またサイドゲート型量子ポイントコンタクト作製法を確立した。移動度を向上する方針は立っており、マヨラナ粒子探索を推進するために高品質InSb一次元細線を実現するための重要な技術を確立した。
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