本研究では、学術的・工学的な観点から非常に魅力的な材料であるグラフェンについて新規創製法を提案することを目的とした。高配向性熱分解黒鉛へビス(フルオロスルフォニル)アミドアニオンを電気化学的に挿入し、ステージ1およびステージ2黒鉛層間化合物を合成した。得られたステージ1黒鉛層間化合物をアルゴン雰囲気およびイオン液体中で加熱した。その結果、イオン液体中では黒鉛層間化合物の分解が起こったが、十分な分解は進行せず明確なグラフェンの生成は認められなかった。このことから出発材料の工夫や加熱速度の急速化などの必要性が示唆された。
|