電気化学反応を行いながら、その反応を透過型電子顕微鏡(SEMと略記)で観察できるシステムの構築が本研究課題の目的である。この実現は、真空下でも全く蒸発しない電解液であるイオン液体を用いることがキー技術となる。イオン液体を保持し、試料局、対局、参照極を備えたセルを装備したTEMホルダーを作製した。イオン液体には、金属イオンを溶解し、それを還元することで金属析出をおこなった。金クロライドを溶解したイオン液体を用いた場合、TEMの電子線を照射するだけで金の析出が起こり、ナノ粒子の成長の様子を観察できた。リチウムイオンを溶解させた場合、電気化学的還元反応によってリチウム金属の析出を観察できた。
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