研究課題
単一酸化物ナノワイヤ構造体の熱電物性を測定するシステムを構築した。本測定システムに要求される主な性能は以下のものである。①単一の酸化物ナノワイヤ構造体が良好な界面と共に金属電極と接合されていること、②金属電極間の温度勾配を保障する為に熱絶縁された基板上、若しくはFree-standingな状態で測定が可能であること、③測定する金属電極間の温度差を検出するシステムがあること。我々は選択的に単一の酸化物ナノワイヤ構造体を電極架橋する技術を構築しており、その良好な金属電極との接合界面形成に関する知見を蓄積している。問題点②に関しては、酸化シリコン層の厚みを系統的に変化させた。酸化層の厚みを増加させるに従って熱絶縁性は向上した。更に、Free-standing状態で単一ナノワイヤを電極架橋する手法についても検討した。問題点③に関しては、温度計に相当するナノ電極を挿入する手法と熱勾配を大きなスケールで加え金属電極間の温度差を推算する手法の両手法を用いて信頼性ある測定システムを構築した。単一の酸化物1次元ナノワイヤにおける熱電物性の検証した。物性パラメータとしてナノワイヤ径を系統的に変化させ、その熱電物性におけるサイズ依存性をHickらの理論と比較検討することにより解析した。また最近では、フォノンの平均自由行程の統計分布の重要性を指摘する報告(Rowe, CRC press 2006)もあることから、サイズがある程度大きな領域においても熱伝導性が低減し熱電性能が向上する可能性がある。ナノワイヤ表面粗さに起因する熱伝導率の低下が指摘されていることから、ナノワイヤ表面構造解析と併せて測定される熱電物性を総合的に検証した。
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