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2015 年度 実施状況報告書

3d遷移金属水酸化物ナノシート・グラフェンの複合材料を用いた貴金属代替触媒の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K13296
研究機関国立研究開発法人物質・材料研究機構

研究代表者

馬 仁志  国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA研究者 (90391218)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード水酸化物 / ナノシート / グラフェン / 複合材料 / 電極触媒 / 水分解
研究実績の概要

ヘキサメチレンテトラミン(HMT)の加水分解及び過酸化水素(H2O2)のその場酸化などの手法を駆使することにより、Ni2+-Mn3+系LDH結晶の合成に初めて成功した。陰イオン交換した後、単層ナノシートに剥離した。Ni-Mn系LDHナノシートと酸化グラフェン(GOまたはRGO)を分子レベルでヘテロ複合化する簡便な溶液プロセスを開発した。2種類のナノシートを交互に積層したヘテロ複合材料を水の電気分解による酸素発生反応を調べたところ、過電圧が0.26 Vまで非常に小さく抑えられ、ターフェル勾配も46 mV/Dec程度で電極触媒として有効に働くことが分かった。LDHナノシートとグラフェンとの超格子構造を形成したことによって、電荷および反応物・イオンの移動/転送が容易になり、触媒反応を促進することが電気化学的活性表面積とインピーダンスの分析から明らかになった。さらに、このハイブリッド電極触媒を用い、単三乾電池(1.5V)一本だけで水の電気分解実験を行い、酸素と水素を効率的に発生することを実証した。高導電性グラフェンと水酸化物ナノシートをナノレベルで接合することにより協同効果が発現し、優れた電極触媒性能につながったためと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Ni-Mn系LDHナノシートを新たに合成し、グラフェンとの複合材料を試作できた。この複合材料は水の電気分解による酸素発生反応に高い触媒活性を示すことが確認された。

今後の研究の推進方策

今後は水酸化物ナノシートの組成チューニング及び複合構造を最適化することにより電極触媒としてさらなる機能アップを目指し、研究を精力的に進める。酸素発生反応に限らず、酸素還元においても貴金属代替できる安価な3d遷移金属系電極触媒の開発を推進していく。

次年度使用額が生じた理由

年度当初は燃料電池セル(50万円)の購入を計画し、電極触媒実験に活用する予定であったが、別の予算確保で購入できたので、助成金からの購入を見送りすることになった。よって、未使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

購入した燃料電池セルのリペアキット及び触媒性能を評価するための回転電極装置に使う電極消耗品に充てる計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Development of Efficient Electrocatalyst via Molecular Hybridization of NiMn Layered Double Hydroxide Nanosheets and Graphene2016

    • 著者名/発表者名
      Wei Ma, Renzhi Ma, Jinghua Wu, Pengzhan Sun, Xiaohe Liu, Kechao Zhou, Takayoshi Sasaki
    • 雑誌名

      Nanoscale

      巻: 8 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1039/C6NR00988C

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Molecular Hybridization of Graphene and Transition Metal Hydroxide Nanosheets for Electrochemical Applications2015

    • 著者名/発表者名
      Renzhi Ma
    • 学会等名
      2015 International Graphene Innovation Conference (GRAPCHINA 2015)
    • 発表場所
      Qingdao, China
    • 年月日
      2015-10-28 – 2015-10-30
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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