本研究では、汎用透過型電子顕微鏡を用いて、電子光学レンズ系の制御により、(1)10-2[rad]から10-7[rad]に及ぶ角度分解能を持つ小角電子回折法の実現、(2)同一領域から小角電子回折図形、ローレンツTEM像および構造的暗視野像を取得できるマルチスケール微細構造観察システムの構築を行った。本光学系では、制限視野絞りにクロスオーバーを形成した条件下でカメラ長は約1300 m(対物レンズオフ)および2500 m(対物レンズ 0.36 A)を実現し、外部磁場は約200 mTまで印加可能である。さらに、上段の中間レンズを弱励磁での条件下で、0.8 ~4.5 mのカメラ長の実現に成功した。
|