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2016 年度 実績報告書

酵素発電による細胞遊走制御と創傷治療パッチへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 15K13315
研究機関東北大学

研究代表者

西澤 松彦  東北大学, 工学研究科, 教授 (20273592)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードバイオ燃料電池 / 創傷治癒
研究実績の概要

本研究は,酵素によるバイオ発電によって表皮細胞の遊走が制御できることを示し,さらに,この仕組みを皮膚貼付パッチに搭載して,創傷治癒効果を評価するものである。前年度は,表皮細胞の遊走促進に適した電流(イオン流)を,果糖の酸化酵素によるアノードと,酸素の還元酵素によるカソードの組み合わせで発生させることに成功しているが,本年度は,長期駆動の妨げとなるpHシフトを押さえ込む,緩衝能に優れた反応系の構築を継続して行い,結果として,10マイクロアンペアの電流を12時間継続させることに成功した。このパッチをマウスの背中に作製した傷に貼付して,12時間ごとに貼り替えながら傷の様子を観察したところ,電流が流れていない場合に比して明らかな創傷治癒速度の加速が認められた。このシステムでは,アノードの燃料である糖は果糖(フルクトース)であり,ハイドロゲルシートに含有させて供給した。これを,創傷から染み出す組織液に含まれるブドウ糖(グルコース)による発電に発展させる取り組みを次に行なった。前年度に確立したフルクトース電極を活かし,そこへグルコースイソメラーゼを付加するアプローチを検討した。これによって,組織液中のグルコースが酵素的にフルクトースに変換され,電極反応に供される仕組みとなる。ビーカー中での予備実験では,数マイクロアンペアの電流が観測され,設計した酵素電極系が期待通りに働くことが確認できた。さらに,電極活性の安定化を半透膜被覆などで進めれば,体液で発電し,創傷治癒時には自動的に発電が止まる治癒パッチの実現が期待できる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Minimally-Invasive Transepidermal Potentiometry with Microneedle Salt Bridge2016

    • 著者名/発表者名
      Yuina Abe et al.
    • 雑誌名

      Biomedical Microdevices

      巻: 18 ページ: 1-6

    • DOI

      10.1007/s10544-016-0080-0

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Enzyme / Carbon Nanotube Composite Electrodes for Self-Powered High Performance Biodevices2016

    • 著者名/発表者名
      Matsuhiko Nishizawa
    • 学会等名
      Asia NANO
    • 発表場所
      Sapporo, Sapporo Convention Center
    • 年月日
      2016-10-10 – 2016-10-10
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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