本研究では、ポストグラフェン材料の新規開拓を目的に、周期律表第13-15属元素からなるハニカムシートや機能性原子層が積層したバルク新物質を、超高圧を主軸とする極限環境を利用して合成した。この結果、リンのハニカムシートからなる黒リンにおいて、元素置換によるキャリア濃度の大幅制御に成功した。さらに、空間反転が破れた積層構造を有する遷移金属ダイカルコゲナイド材料や、擬二次元ディラック電子が磁性と強くカップルする層状磁性体の新規合成にも成功した。また、得られた新物質の幅広い物性制御を目指し、有機分子のインターカレーションによるキャリア濃度制御や熱電性能の最適化に取り組み、手法確立に向けた知見を得た。
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