主要な有機半導体の1つである共役ポリマーにおいて,バイアス電場下で電子と正孔が超高速運動する様子をテラヘルツ放射波形に基づいて調べた。異なる主鎖構造をもつ複数の共役ポリマー薄膜をフェムト秒レーザーパルス(フェムトは10の-15乗)で励起したところ,得られた放射信号は同じ桁の大きさおよび非常に似た形状をもつことが分かった。これは,超高速運動の形態がそれらの共役ポリマーに共通していることを意味する。さらに,放射波形を詳しく解析することによって,関与する分極が電子-正孔対に生成され350フェムト秒未満で消滅していることを明らかにした。
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