CVD条件下でのグラフェン成長をリアルタイムで観察する,われわれが開発した熱放射顕微鏡(Rad-OM)を用いて,グラフェンの核形成位置と沿面成長の様子を研究した.基板の処理段階から成長までの全過程を連続観察することによって,Rad-OM像で観察される輝点が核形成点となることを見出した.この輝点は基板に残留した炭素不純物であり,アルゴンイオンの照射により効果的に除去でき,条件の最適化によって非照射の時の核密度600/mm2 を1/mm2以下まで減少することができた.本研究によりグラフェン成長で重要な核形成過程の解明と,大面積単結晶グラフェン成長の指針を得ることができた.
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