研究課題/領域番号 |
15K13365
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
梅澤 憲司 大阪府立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80213487)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 原子散乱 / 表面 |
研究実績の概要 |
本研究では、低速原子散乱分光法により絶縁体表面原子のイメージ画像をリアルタイムで測定することを目的としています。試行錯誤の結果、イメージ画像を安定して測定するためには、試料を載せるマニュピュレータ-が強固で安定して動くものではなければならないことに気が付きました。原子ビームは、電気的に中性なため、電場、磁場で偏向することはできません。イメージ画像をとるためには、試料を様々な方向に傾けて、試料自体を回転させることを必要とします。 また、試料を加熱処理した後に原子イメージ画像を測定することも視野にいれました。そこで、原子イメージ画像が安定してとれるマニュピュレータを作ることを重要視しました。メーカーと話し合い、こちらの要望がかなえられるマニュピュレータができあがりました。マニュピュレータは、超高真空中で使用できるようベイキング温度130℃に耐えられ、かつ、ステッピングモーターで安定して働く仕様とし、ステッピングモータの制御プログラムも応じたものに書き換えられました。得られた絶縁体の原子イメージ画像を含めて関係学会で発表を行いました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
絶縁体の表面原子イメージ画像を得るためには、試料の設置が、実験中において常に安定していることを必要とします。このため、試料を載せるマニュピュレーターの重要性を認識し、この部分を中心に研究を行いました。当初、この点の認識は、あまりありませんでしたが、試料設置が安定することで、得られるイメージ画像にぶれがなく、安定した画像が得られることに気がつきました。一方で、申請段階で利用を予定していましたポジンションセンシィティブ型MCPが、国内での販売停止がなされていることを採択後に知りました。そこで、同MCPの利用を取りやめると同時に安定したイメージ画像を撮るために試料を載せるマニュピュレータについて本研究を勧めました。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、短時間で絶縁体の原子イメージ画像をとることへの工夫、及び、実際に得られた実験データから、表面第1~第3原子層における表面源氏構造解析について研究を行います。平成27年度に絶縁体単結晶試料の購入をしました。試料から得られる絶縁体の原子イメージ画像をとり、さらには、絶縁体の表面原子構造解析を行っていきます。原子イメージ画像を効率よく撮るためには、試料の設置の段階も大切になってきます。この点を含めて、より短時間で絶縁体の原子イメージ画像をとること、及び、表面原子の構造解析について研究を進めます。
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次年度使用額が生じた理由 |
申請段階で購入予定をしていたポジションセンシティブ型MCPが国内での販売収支となったことを採択後に知りました。そこで、同MCPを用いた研究に代わり、他の方法での原子イメージ画像をリアルタイムで撮ることを考えました。その際に安定した画像を撮るためには、マニュピュレータが安定して働くことの重要性をあらためて認識しました。そこで、主としてマニュピュレータの開発と購入に予算を使用しました。次年度への持ち越し金額は、1円です。これは、物品の本体価格および消費税の支払いにおいて生じた金額です。研究を見直して次年度に使用額を持ち越さなければならなかったという特段の理由はありませんでした。
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次年度使用額の使用計画 |
上記、「理由」で述べた通り、次年度に使用額を持ち越さなければならなかった意図はありませんでした。全額1円については、平成28年度の研究計画において活用いたします。
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