意思決定問題は、情報通信技術等の広範な応用の根底にある重要課題である。しかし、動的に変化する不確実な環境での意思決定とは、ベターな選択肢の探索と速やかな決断という難しいトレードオフを孕んだ「多本腕バンディット問題」であり、その解決は容易ではない。本研究の目的は、計算機上のアルゴリズムではなく、光の物理的性質を生かして意思決定機能を開拓することである。本研究では、単一光子の有する粒子と波動の二重性を意思決定機能に応用することを見出し、そのシステム構造を提案し、さらに実験により原理を実証した。さらに、圏論を用いて、単一光子を用いた意思決定システムの構造的理解を深めることに成功した。
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