研究課題/領域番号 |
15K13389
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
寺嶋 和夫 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (30176911)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ダストプラズマ / 超臨界流体 |
研究実績の概要 |
本年度は、超臨界中で発生させるダストプラズマである超臨界ダストプラズマの創製の重要な要素技術となるダストプラズマ創製に利用する放電方式に関しての検討を中心に研究を進めた。初期の予備的な実験、検討を通じて、各種の高圧環境非平衡プラズマの発生に用いられている誘電体バリア放電について、パイ放電と呼ばれている電界放出型表面バリア放電を最有力候補に絞り込み、低圧~大気圧~高圧ガス~超臨界流体~液体領域にわたる広い高密度媒体領域での放電、放電プラズマの発生と診断(電圧電流特性、発光特性など)を行うとともに、ポリイミド製のフレキサブルシート上に数十ミクロン幅のマイクロパターニング電極の設計・作製を果たし、その適用の可能性を示した。前者においては、各種の媒体(二酸化炭素、キセノン、アルゴン、水など)を用いた実験を通じて、放電モードの特徴の一般性を確定させるとともに、媒体の物性に起因する相違点も明らかにした。本研究を通じて、超臨界流体に留まらず、液体環境でも本放電モードが連続的に発生可能なことが見いだされ、本放電を用いることにより、低圧~大気圧~高圧ガス~気体的な超臨界流体~液体的な超臨界流体~液体環境での連続的な媒質物性(密度、粘性)変化の環境でのダストプラズマの創製の可能性が示された。一方、後者に関しては、電極の創製のための微細加工技術のノウハウを積むとともに、その設計指針も着実に得つつある。その結果、1時間以上の安定的な使用を可能とする電極の作製技術の蓄積が成された。以上の研究は、実験的なアプローチとともに、有限要素法による電界計算、粒子計算をメインとした放電計算といった理論的なアプローチにより達成されたものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、超臨界中のダストプラズマである超臨界流体プラズマの創製における重要な要素技術となる創製時に利用する放電方式に関しての検討を中心に研究を行った。各種の高圧環境非平衡プラズマの発生に用いられている誘電体バリア放電についてパイ放電と呼ばれている電界放出型表面バリア放電を最有力候補に挙げ、低圧~大気圧~高圧ガス~超臨界流体~液体領域にわたる広い高密度媒体領域での二酸化炭素やキセノン中での放電、放電プラズマの発生と診断(電圧電流特性、発光特性など)を進めるとともに、ポリイミド製のフレキサブルシート上に数十ミクロン幅のマイクロパターニング電極の設計・作製を果たし、その適用を可能とした。また、超臨界流体ダストプラズマのもつプラズマ物理、プロセス応用に関して検討を深めた。本年度の成果は残る1年の研究を推進する上での大きな礎となっている。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の研究成果を受けて、最終年年度である平成28年度は、主に二酸化炭素、および、キセノンを媒体として用い、高圧気体~超臨界流体(気体的、液体的領域)~液体といった各種の相、密度環境下でのダストプラズマの創製を進める。特に、(1)各相、密度を連続的に変化させた環境中での微粒子の挙動を実験と理論(有限要素法による電界計算など)の2つのアプローチから、3次元的構造など静的構造の高次化、および、回転運動などの動的構造といった静的、および動的の構造の解明。(2)ダストとなる数ミクロン~数十ミクロンの粒径のポリマーとして磁性体(磁性体ダストプラズマ)などの新しいタイプのダストプラズマの創製。を目指す。こららの実験において、放電の電極構造が重要なポイントとなると思われ、電界計算と合わせたその設計と作製を進める。
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