ウォルターミラーやゾーンプレートなどの軟X線域の集光光学素子は光の利用効率が低く開口数も小さいため、顕微システムなどにおいて明るい像が得られず、また解像度を上げることが困難となっている。本研究の目的は,準結晶パターンからの回折光が波長以下のスポットを作成できることに着目し,X線を原子オーダーのスポットに集光することができる新しい光学素子を開発することである。 本報告では、準結晶集光素子のシミュレーションによる波長オーダーの集光確認、作成した集光素子による軟X線の集光の実験的な確認の二つを目標とした。準結晶の集光原理を明らかにすると同時に、原理的に波長レベルでの集光が可能であることを示した。
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