研究課題
本研究では、リン酸塩ガラスのラジオフォトルミネッセンス現象を用いて、放射線種及びエネルギー弁別が可能な二次元放射線イメージセンサシステムの構築をめざし、研究を推進した。そして昨年度までに、RPL読み取り装置の設計並びに試作および試験的な実験を終了し、最終年度の本年度は、試作したガラスシートとRPL読み取り装置を用いて、各種放射線の二次元イメージングの実験を推進した。今年度は、約50ミクロンメータの直径を持つガラスビーズを敷き詰めたガラスシートを試作するとともに、昨年度の設備費で試作をした「RPL読み取り装置」を用いて、X線あるいはγ線を照射したガラスシートの二次元放射線イメージを測定した。その結果、①放射線の二次元像をモニタリングできることを確認した。ただし、A4サイズのシートの全画素を読み取るために約3時間必要であり、スキャンの高速化は課題として残った。②ガラスシートにイメージングできるX線あるいはγ線の放射線量の下限は、約100mGyであることが明らかにできた。また、さらに感度を上げるには、ガラスシートの放射線感度向上を目指すことが重要であることが分かった。③一応、ガラスシートおよび二次元イメージセンサ装置を用いて、二次元の放射線像をイメージングできるシステムを完成させたが、本研究の最終目標である放射線種および放射線エネルギー弁別可能なイメージセンサシステムの開発には、ガラスシートの感度向上およびシートを積層した形でのモニタリング実験が必要である。これについては今後の課題とし、今後も研究を精力的に推進する予定である。一方、ガラス線量計を有機フィルム中に含浸させた作業用グローブについては昨年度に引き続き研究推進中である。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Sensors and Materials
巻: 30 ページ: 327-337
Sensors and Materilas
巻: 29 ページ: 1439-1445