コヒーレント偏極電子線を用いて強度相関測定を実施し、透過電子顕微鏡において真の量子干渉効果の観測を目指した。コヒーレント偏極電子線を用いた強度相関測定系を構築に成功し、スピン偏極電子/無偏極電子の切り替えによるアンチバンチングの変化測定を実施にするに至った。その測定系時間分解性能は、コインシデンス検出器を除く計測システムにおいて時間分解能48.3 psを実現した。次に、本計測器を用いて10%程度のアンチバンチング量を検出することに成功し、さらにスピン偏極度により増強効果が僅かながら現れることを実証した。これにより、空間電荷効果と2次の干渉効果が重畳したアンチバンチングであることが見出された。
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