中性子が大きさの揃った物質と散乱する場合、中性子波の干渉によりその散乱断面積が増加する。この干渉性散乱を利用した中性子反射材料としてダイヤモンドナノ結晶(DNP)が現在注目されている。近年直径5nm程度のDNPが安価に入手可能になっており、中性子反射材への応用が期待されている。 本研究では市販で購入したDNP結晶を用いた。DNP結晶は密度0.5 g/cm3の通常粉末状であるが、プレス加工を行うことで1.1 g/cm3の固形に整形することに成功した。その中性子微分散乱断面積の測定を行い、干渉性散乱により断面積が12C単体の場合に比べ約2,500倍に増加することを確かめた。
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