与えられた滑らかな曲面を離散化し、離散的なデータを用いて幾何学的量を計算する研究が最近活発に行われている。本研究では、前提となる滑らかな曲面がない場合、すなわち2次元・3次元空間のなかにグラフが与えられたときに、直接に「曲面」の幾何学量をとりだすための、曲面論の離散版にあたる「離散曲面論」を構築し研究した。特にガウス写像に注目することで面積の変分公式を求めた。これにより、「離散極小曲面」「離散平均曲率一定曲面」を定義した。これらの幾何学量と実際の物質の内的歪みや外的歪みとの相関、スペクトル量と電子状態の相関などを、比較する手法を開発しこれらを論文にまとめた。
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