測地線が定義できる距離空間を測地空間と呼ぶ。測地線の幾何学は測地空間を測地線の定性的な性質に注目して研究する方法を提供している。リーマン幾何学、フィンスラー幾何学、アレキサンドルフ幾何学などがその例である。その中で、距離が非対称な空間については、以前から興味をもたれながら、体系的には研究されていない。個々の性質や定理について、対称距離の場合と同様にその性質が成り立つかどうかを検証しながら、フィンスラー計量から生じる非対称測地空間を中心に、測地線の幾何学の方法で研究し、いくつかの成果を得た。それらの成果を論文として発表した。
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