半径rのd次元球をプラス境界条件下におき,その中心のスピンの期待値を考える.この1スピン期待値は相転移を示し,臨界温度直上ではr→∞でゼロに収束することが知られていた.とくに上部臨界次元である4次元より上では,rの1-d/2乗より遅く減衰することが,ハイパースケーリング不等式から厳密に知られていた. 半田氏とHeydenreich氏との共同研究において,確率幾何的表現である「ランダムカレント表示」を用いて2次モーメント法を精密に評価し,臨界1スピン期待値が4次元より上では1/rよりもゆっくり減衰することを厳密に証明した.Newman氏のfestschriftに掲載されることが決定.
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