設備などが超低速で溶解し、内部から汚染物質などが土壌など不均質媒質中を拡散する現象について数理解析を行った。不均質性のため、密度の空間・時間変化においては、通常の拡散方程式が示すような強い平均化はなく、特異拡散であることが知られていた。本研究において、特異拡散現象をよりよく記述するモデル方程式として、非整数階偏微分方程式を考えて、初期値・境界値問題や、方程式の係数の決定のような逆問題の一意性と安定性の数学解析の結果を得た。また福島原発事故後のセシウムの特異拡散の解析を行い、実データとの良好な一致をみた。超低速の溶解現象については、溶解の逆現象とみなすことができる凝集の解析を行った。
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