将来の電子陽子衝突型加速器(コライダー)におけるヒッグス粒子に関する物理研究の可能性を検討した。CERNの陽子陽子衝突装置LHC(ラージハドロンコライダー)の陽子ビーム(7TeV)に新しく付設する加速器(低電力消費型のERL)の60GeVの電子ビームを衝突させるLHeCにおいて、ヒッグスとbクォークの結合定数を1%以下の精度で測定できることがわかった。またヒッグスが見えない新粒子へ崩壊する分岐比(消失モード)も5%の上限値まで感度があることがわかった(いずれも統計誤差のみ)。これらは高輝度LHCでの精度と肩を並べるか上回る精度であり、LHCとの同時実験によって物理の相補性が増すことが示された。
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