研究課題/領域番号 |
15K13490
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研究機関 | 呉工業高等専門学校 |
研究代表者 |
笠井 聖二 呉工業高等専門学校, 自然科学系分野, 教授 (70221869)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 増幅型液体アルゴン検出器 / 気体増幅 / マイクロバブル |
研究実績の概要 |
液体アルゴン中にマイクロ・ナノバブル(超極小バブル)によるネオンガスの疑似溶解状態を実現し、極小バブル中で、電離電子とネオン原子の2次衝突を起こさせ、結果的に10~数10倍程度の増幅をおこなうという新しいタイプの増幅型液体アルゴン検出器の開発を目指した研究として、その実現性を簡単な宇宙線実験とモンテカルロシミュレーションにより確認する研究を実施した。 宇宙線実験のための簡便・簡易な装置の開発では、前年度開発した低温槽の問題解決のため、冷却用の液体窒素の必要量を抑えたうえで冷却効果を維持できように断熱材の利用や装置の構造変更などの装置改良を中心に研究をおこなった。また、シンチレーションカウンターなどのトリガー系装置や信号読み出しエレクトロニクスなどのシステムについて、既存の装置を改良するなどし開発をおこなった。マイクロバブル発生装置についても検討をおこない、現時点では極小バブル化した装置は簡単に実現することは研究期間ないでの開発は難しいと考え、宇宙線による確認実験が可能な範囲内で想定していた最も簡便な方法で実現することとした。 モンテカルロシミュレーションでは、液体アルゴン検出器の開発研究ICARUS・WA105研究で開発・公開されているQscanソフトによる改良を検討して、その環境の構築と開発研究を実施した。ソフトウェアの基本的構成やアルゴリズムの確認と、ネオンガスの疑似溶解状態の設定方法等の検討を中心に研究を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
装置冷却の問題が生じ実験方法の変更したこ。シミュレーション環境の整備に想定以上の時間を要したことにより研究全体が遅延した。また、所属機関の業務が予想以上に増え、研究時間の確保が行えず、遅延を回復することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度に補助事業期間を延長して、予定した研究を実施する。簡易実験については、低温槽を2重化するなどの対策と合わせ、周辺装置の充実した他研所での実験などを検討する。シミュレーショを中心に研究をすすめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
所属機関での業務により研究時間の確保が難しかったこと、装置の冷却問題等による実験方法の変更などにより、研究全体に遅延が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
実験装置開発の部品や、実験実施のための液体窒素・アルゴンの購入に使用予定。
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