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2017 年度 実績報告書

ワイル半金属における量子輸送現象の理論

研究課題

研究課題/領域番号 15K13498
研究機関名古屋大学

研究代表者

田仲 由喜夫  名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40212039)

研究分担者 佐藤 昌利  京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (30313117)
田口 勝久  名古屋大学, 工学研究科, 研究員 (90725194) [辞退]
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードスピン軌道相互作用 / Rashba型スピン軌道相互作用 / アクシオン
研究実績の概要

Rashba型のスピン軌道相互作用(RSOC)と磁化(M)が共存した系[FRM]におけるトンネルコンダクタンスの理論研究を行った。この系にはRSOCとMの大きさによって、以下の3つの電子状態、通常Rashba金属状態(NRM)、異常Rashba金属状態(ARM)、Rashbaリング金属状態(RRM)が存在する。NRMは2つの異なる向きにスピンが旋回したスピン構造を持ったスピン分裂バンドによるフェルミ面を持つ状態である。ARMでは1つのスピン分裂バンドのみがフェルミ面が構成されている。RRMもまた1つのスピン分裂バンドによってフェルミ面が構成されている。さらにバンド底において巨大なRSOCによるコブのような構造を持つ。このコブ構造はMが大きくなると消失する。我々はFRMと金属を接合した系において上記3つの電子状態に起因したスピン依存伝導特性(トンネルコンダクタンス)を示した。[J. Phys. Soc. Jpn. 87, 034710 (2018)]。またDresselhaus型スピン軌道相互作用(DSOC)がある系においてもに上述した3つの電子状態が存在することから、まず私たちはDSOCとMによる各電子状態におけるトンネルコンダクタンスを数値解析した。さらにその結果と上半期での結果を比較し、各スピン成分を足しあげたトンネルコンダクタンスがフェルミ面のスピン構造には依存しないことを明らかにした[arXiv:1803.07091]。昨年度に引き続きアクシオン効果による電磁応答研究を行った。トポロジカル絶縁体と磁性絶縁体の超格子において磁場を積層方向に印加することで、非自明な電気磁気効果(磁場による電流駆動/電流による磁場誘起)の存在を理論的に予言した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Tunneling conductance in two-dimensional junctions between a normal metal and a ferromagnetic Rashba metal2018

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Oshima, Katsuhisa Taguchi, and Yukio Tanaka
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan

      巻: 87 ページ: 034710_1-8

    • DOI

      https://doi.org/10.7566/JPSJ.87.034710

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Tunability of Andreev levels via spin-orbit coupling in Zeeman-split Josephson junctions2017

    • 著者名/発表者名
      atsuki Hashimoto, Alexander A. Golubov, Yukio Tanaka, and Jacob Linder
    • 雑誌名

      Physical Review B

      巻: 96 ページ: 134508_1-5

    • DOI

      https://doi.org/10.1103/PhysRevB.96.134508

    • 査読あり
  • [学会発表] トポロジカルディラック半金属におけるスピン依存伝導の理論研究2018

    • 著者名/発表者名
      山口悠介, 田仲由喜夫, 田口勝久
    • 学会等名
      日本物理学会第73回年次大会
  • [学会発表] 1.Electromagnetic effect on a monolayer of transition-metal dichalcogenide,2017

    • 著者名/発表者名
      K. Taguchi
    • 学会等名
      Nano-Micro Conference 2017
    • 招待講演
  • [学会発表] ラシュバ型スピン軌道相互作用と交換相互作用の共存する系でのトンネルコンダクタンスの計算2017

    • 著者名/発表者名
      大島大介, 田口勝久, 田仲由喜夫
    • 学会等名
      日本物理学会2017年秋季大会
  • [学会発表] Electric and magnetic tunability of Andreev levels via spin-orbit coupling in spin-split Josephson junctions2017

    • 著者名/発表者名
      Tatsuki Hashimoto, Alexander A. Golubov, Yukio Tanaka, Jacob Linder
    • 学会等名
      28th International Conference on Low Temperature Physics (LT28)

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公開日: 2018-12-17  

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