チャープパルスアップコンバージョンによって中赤外光から可視光へ変換したのちにスペクトルを取得することで、高感度・高精度なキラリティ検出を実現することを目的とした。中赤外光アップコンバージョンの非線形光学結晶として、LiGaS2を提案し、少なくとも1200 cm-1以上で高効率であることを示した。アップコンバージョンを用いたフェムト秒中赤外分光システムを構築し、スペクトル分解能2.8 cm-1、時間分解能0.2 ps、ノイズレベル10-4を達成した。キラリティ情報を取得するには至らなかったが、励起光に対して偏光制御と波長可変狭帯域化を取り入れ、構造敏感な赤外分光システムを実現した。
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