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2015 年度 実施状況報告書

磁場印加による空間反転対称性を破る結晶成長

研究課題

研究課題/領域番号 15K13503
研究機関京都産業大学

研究代表者

瀬川 耕司  京都産業大学, 理学部, 教授 (20371297)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード結晶成長 / トポロジカル絶縁体 / 強磁場
研究実績の概要

空間反転対称性は、現代の固体物性研究において新奇な物性発現の鍵を握る非常に重要な要素であるが、結晶系におけるその有無は自然の結晶成長に委ねられており、今のところバルク成長に人の手で制御する余地はない。本研究課題では磁場中でブリッジマン法結晶成長を行う装置を開発し、元素固溶系の結晶成長を強磁場中、あるいは磁場勾配中で行うことにより人工的に空間反転対称の破れた結晶を成長することを技術的な目的としている。それが可能になった場合は、この技術をトポロジカル絶縁体関連物質に適用し、ディラック半金属に空間反転対称性の破れを導入することによってワイル半金属を実現するなど、スピン-軌道相互作用が大きな物質系について新奇物性を発現する相の合成を試みることを目指している。
この研究を実施するためには、強磁場中で試料を高温に保持する必要がある。代表者は8テスラ無冷媒超伝導マグネットを譲り受け、大阪大学から京都産業大学に移設してセットアップし、稼働の確認までを今年度に完了した。このマグネットのボアは直径 31mm であり、2重の真空断熱層を持つように設計すると、試料空間は直径 8 mm 程度になる。そのような電気炉を発注し、購入することができた。
また、試料準備にはグローブボックス、石英菅封じ切りシステム、電気炉、X線回折装置、ワイヤーソーのセットアップが必要になるが、これまでにグローブボックスと電気炉、X線回折装置について完了した。2年度目の結晶成長実施に向けて、残りの装置も現在システム組み上げを急いでいるところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

大阪大学からの超伝導マグネットなどの設備移設が12月にずれ込んでしまったため、総体的に実験室整備が遅れることとなった。

今後の研究の推進方策

上記の通り、一連の結晶成長に必要な実験装置を整備し、磁場中結晶成長を1日も早く実行する。
また、磁場中における結晶成長だけでなく、超伝導体のアニールについても取り組む予定である。

次年度使用額が生じた理由

実験装置の準備に遅れが出ているために一部の実験装置整備費用を次年度に執行する予定である。

次年度使用額の使用計画

石英管封じ切り装置の配管部品の一部に使用する予定である。

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公開日: 2017-01-06  

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