29年度は、本来の期間である28年度までにやり残した [1]理論研究により得られた知見を総合した実験グループと共同の実証提案 [2]成果の論文化、学会発表 に注力する計画であったが、予定通り必要な計算を加えての結果の論文化、及び学会発表、さらに実験グループとの実証へ向けた協議が、30年度からの基盤研究(B)の採択に結びついた。具体的には超蛍光の基礎となる物理機構である量子結合系の同期現象を記述する一般的な理論とその応用のデモンストレーションを行った論文がPhysical Review Lettersに掲載され、関連の発表を学会、国際シンポジウムで招待講演として行った。同様に前年度に完成していた、波長を上方変換する機構についても論文投稿し、現在審査中である。また、その結果についても内外学会における招待講演において発表を行った。さらに実験グループとは、超流動ヘリウム中で作成が可能なZnO単結晶微小球などを用いて上記物理機構を統合し、微弱光を波長変換的にコヒーレント光に変換する実験計画を策定し、本研究課題で理論実証する事が出来た「赤外太陽光-可視コヒーレント光直接変換機構の理論的実証」へむけての予備実験を開始することにした。
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