強磁性トポロジカル絶縁体が、ゼロ磁場で異常ホール効果が量子化する量子異常ホール効果が実現することが分かり盛んに研究されている。本研究では、量子化する温度を極低温から高温に上げることが急務であると考えた。 本研究では、カルコゲナイド化合物の積層構造を合成し、高濃度Crドープトポロジカル絶縁体層を表面近くに挿入した構造にすることで、質量ギャップの増加と均一性の増加を同時に実現することによって希釈冷凍機での冷却の必要のない0.5 Kでほぼ完全な量子化を実現した。この結果は、カルコゲナイド化合物の積層技術が将来のトポロジカル物質によるデバイスの基盤技術になると示唆している。
|