研究課題
ボゾン系におけるトポロジカル相の理解を目的に、引き続きスピン波に関連したトポロジカル現象についての研究を進めていたが、近年の先行研究も考慮し、本年度はマグノンにおけるワイル半金属に類似した構造に着目した。ワイル半金属のトポロジカル構造を調べる目的で、時間反転対象なワイル半金属に関する研究を行った。この系ではフェルミ・アークとディラック・コーンが共存することが理論的に指摘されており、本研究によりこのような場合のトポロジカル指数の構造を明らかにした。３次元トポロジカル絶縁体では、そのトポロジカル指数構造はよく知られており、strongとweakからなる指数で与えられる。この３次元トポロジカル絶縁体とワイル半金属の違いは、ワイル点の有無に現れる。したがって、時間反転対象なワイル半金属のトポロジカル指数は、Brillouin zoneの３次元トーラス上に全ワイルチャージの和がゼロになるようなワイル点の配置がある場合の指数に帰着する。Equivariant homologyを使った方法により、時間反転対象なワイル半金属を特徴付けるトポロジカル指数を得ることに成功した。これにより、近年の理論研究で示唆されていた、フェルミ・アークとディラック・コーンがパラメータによって互いに移り変わるなどの現象が指数構造から理解することができた。
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Physical Review Letters
巻: 118 ページ: 147202 (1-6)
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Applied Physics Letters
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