研究課題
挑戦的萌芽研究
近年、微生物や昆虫、鳥、動物、人など、生物集団が示す多様な振る舞いが、物理学の分野においても注目されている。そこでは、構成要素である生物単体の振る舞いと系全体の振る舞いの関係を統計物理学的な視点から明らかにしようとする試みがなされている。本研究では、微生物の一種である枯草菌が、寒天培地上に作成した円形プールの中で、換算菌体長(プールの直径に対する菌体長比で定義される)と菌密度をパラメータとして6種類の特徴的な振る舞いを示すことを確認した。そして、それらの振る舞いを引き起こす因子として、“菌とプール壁の間の相互作用”と“菌同士の相互作用”、“菌単体の運動方向揺らぎ”が本質的であることを確認した。
統計力学,生物物理