研究成果の概要 |
カオス系での確率流の「局在」と「非局在」(拡散)に着目し,古典論と量子論の立場から多自由度カオスを数値的に研究した。(1)古典系であるレナードジョーンズクラスターの異性化過程におけるカオスダイナミクスと遷移状態理論の関係を安定異性体の寿命分布を用いて明らかにした。また(2)複数の安定状態をもつ遷移ネットワークに対し,ボトルネックとなる最も遅い緩和過程を特定する数値的手法を開発した。(3)量子写像系での動的局在において,局在長に関する現象論的スケールング則を見いだし,その導出に成功した。また多自由度量子カオス系での局在-非局在転移を量子Coupled Kicked Rotor系を用いて議論した。
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