木村他(2016、日本地震学会秋季大会予稿集)は、既存の地震発生時の重力変動理論に従い、2011 年東北地方太平洋沖地震の震源断層モデルを利用し、国内の多種・多点の地震計・重力計で想定される地震波到着前の重力場変動を計算した。同時に、国内の重力計や広帯域地震計記録の解析も進め観測値と理論値を比較したところ、予測される重力信号が雑音信号より高いと推定された観測点で検出されるべき重力変動は観測データ中に見出せなかった。 多種・多点の観測点のデータからも理論値通りの重力場変動が検出されなかった。理論予測と観測データ解析の結果は矛盾し、重力測定原理まで立ち返った測定論・観測論の見直し問題が浮上してきた。
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