既存の水同位体情報データ同化システムをベースに、古日記に記載された情報の利用を念頭に置いた「古天気情報データ同化システム」を構築した。日本域の18地点で天気情報が観測されたとするデータ同化実験を行い、真値の雲量、表面気圧、気温、風速、水蒸気量、降水量などにどの程度近づくのかを調べた。その結果、ほぼすべての変数に、現実的な観測データ分布を想定した日本のほぼ全域で「良い」観測インパクトが生じていることがわかった。本研究により、古天気情報のデータ同化手法が確立され、現在最長で130年程度の大気再解析データを劇的に過去に延長できる可能性が示された。
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