海洋大循環と呼ばれる,地球規模の海水の運動を解明することは,地球温暖化メカニズムを把握するうえでも極めて重要である.本研究では,海中に沈めて直接塩分測定が可能な絶対塩分センサの実用化を目指し,その基礎技術となる高精度な海水屈折率測定装置の開発を目指した.測定原理としては,SLDなどを用いた分光干渉センサと同様の原理を用いた.純水および海水で満たされた2つの光学セルを通って反射したビーム同士の干渉スペクトルを解析することで,純水と海水の屈折率差を求めることができる.発振波長範囲420 nm~2 μmを持つ広帯域光周波数コムを光源として採用することで,海水の屈折率を高精度に測定可能なことを示した.
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