過去の温度条件を復元するという地質学の重大課題を解決するために,炭酸凝集同位体温度計の開発が進んでいる。しかし,欧米諸国での活発な研究状況に比べ,国内においてこの分析法の導入は進んでいない。そこで,研究代表者は九州大学に配備されている高精度質量分析計を基盤として,測定システムの開発に挑んだ。 測定システムを製作するにあたり特に留意したのは,1) 効率的かつ純度の良い試料二酸化炭素ガスの精製,2) 分析計のバックグラウンド値の揺らぎ補正の2点である。独自にいくつかの改良を加えた結果,二酸化炭素の精製時間を70分/試料に短縮するとともに,測定誤差を0.01‰に抑えることに成功した。
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