原始海洋形成プロセスを実験的に再現するために、新たな実験装置の開発及び実験手法の確立を行った。開発した手法を用いて亜臨界原始大気と原始海洋地殻の反応を再現したところ、原始海洋組成は現在のものとは大きく異なり、現在の海水の主要成分であるNa以外の元素に富んでいたことが明らかになった。また、原始地殻がコマチアイトか玄武岩かによって原始海洋組成が大きく異なることもわかった。一方、これまで単純な考察から原始海洋は強酸性であるため生命の誕生には不適切であることが指摘されていたが、本研究から原始海洋のpHは生命の誕生に適切な値であることが示された。
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