静的圧縮による1 テラパスカル発生を目標として、集束イオンビーム加工装置による精密加工技術を応用し、新しい高圧発生技術である2段式ダイヤモンドアンビルセルの装置技術開発を行った。レニウム試料に関して、これまで一例しか報告のなかった600 GPa超に相当する圧縮状態を再現することに成功したが、白金圧力スケールを基にレニウム状態方程式の校正・再検証を行なった結果、実際の発生圧力は430-460 GPa程度であると結論づけられた。先行研究におけるレニウム圧縮実験は圧力を大きく過剰評価していたことを明らかにするとともに、従来の静的圧縮実験の圧力発生限界を越える技術を開発することに成功した。
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