バクテリアを起源とする蛍光性溶存態有機物(FDOM)の光化学的反応特性と有機物の残存性を評価するために、実験的解析を実施した。 静岡県下田沖の海水試料用いて培養実験を実施し、FDOMの蛍光強度は、暗条件では昼夜を問わず上昇し、昼間の明条件下では減少する結果を得た。海洋表層では、バクテリアによりFDOMが昼夜を通して生成され、生成されたFDOMの蛍光は昼間に低下することが確認された。海水試料への光照射実験では、蛍光強度が大きな減少を示す一方で、有機炭素濃度は変化を示さなかった。バクテリア由来FDOMは、光照射下で蛍光が消光した後も、炭素は有機化合物として保持されていることが示唆される。
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