研究課題/領域番号 |
15K13604
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
荒井 朋子 千葉工業大学, 惑星探査研究センター, 主席研究員 (10413923)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 流星群 / 国際宇宙ステーション / 超高感度ハイビジョンカメラ / 流星群母天体 |
研究実績の概要 |
本研究は国際宇宙ステーション(ISS)に超高感度CMOSカラーハイビジョンカメラを設置し流星群の長期定常観測を行い、流星群の流星塵の測光および分光観測から流星塵のサイズや化学組成を求めることを目的とする。それらのデータから、直接探査の難しい「流星群の塵を放出した天体(流星群母天体)」の物理・化学特性を推定することを目指す。 2度のロケット打上げ失敗を経て,平成28年3月23日、シグナス補給船6号機に搭載されアトラスVロケットで平成28年3月26日にISSに無事届けられた。ISS側の予期せぬ事情や不具合のため観測開始が遅れたが、米国実験棟DESTINY内のWORFラックに設置及び初期動作確認後、平成28年7月7日から観測開始し、平成28年度中にふたご座流星群など10個の流星群の測光観測に成功した。観測した全映像はISS上のコンピュータに接続したHDDに保存し,定期的に輸送船より地上に持ち帰る。平成28年7月に観測した初期観測映像およびみずがめ座δ流星群(7月28日-31日)の映像データを記録したHDD2個は、Space-Xのドラゴン補給船10号機で地球に持ち帰られ、平成28年12月末に我々の手元に届いた。 みずがめ座δ流星群の活動時期に観測された約200個の流星の軌道解析の結果、みずがめ座δ流星群だけでなく、ペルセウス座流星群の属する流星も混在することを明らかにした。これら二つの流星群の流星塵の混在度合いの時間変化、流星毎の輝度や輝度の時間変化の分布や違いを議論した結果を初期初期成果としてまとめ、国際会議である48th Lunar and Planetary Science Conference (LPSC)で発表した。現在、投稿に向け論文を準備中である。 平成29年3月までの観測データを含む14個のHDDが、Space-Xのドラゴン補給船11号機で平成29年3月末に地球に帰還し、大学への到着を待っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
二度のロケット打上げ失敗を経て,平成28年3月にISSに無事届けられた後も、ISS側の予期せぬ事情や不具合のため観測開始が遅れ、米国実験棟DESTINY内のWORFラックに設置及び初期動作確認後、平成28年7月7日から観測を開始した。本研究は、観測一年目に測光観測、二年目に分光観測を行い、流星群ごとの流星塵のサイズ分布や組成の差異を明らかにすることを目的とする。一年目の測光観測は平成29年7月まで、二年目の分光観測は平成30年の7月までの予定であり、それらの観測データが地球に帰還するのが平成30年度中となるため、当初の計画より1年以上遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は平成28年度中に観測した流星群の測光映像の解析を終え、成果を論文にまとめるべく鋭意努力する。また、平成29年7月から1年間観測する分光映像の取得、解析および成果の論文化は、研究期間を1年延長申請を行い、対応する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
二度のロケット打上げ失敗を経て,平成28年3月にISSに無事届けられた後も、ISS側の予期せぬ事情や不具合のため観測開始が遅れ、平成28年7月7日から研究を開始した。本研究は、観測一年目に測光観測、二年目に分光観測を行い、流星群ごとの流星塵のサイズ分布や組成の差異を明らかにする計画である。平成29年7月まで測光観測を行い、引き続き平成30年7月まで分光観測を行う。それらの観測データが地球に帰還するのが平成30年度末の予定であり、当初の計画より1年以上遅れている。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は平成28年度中に観測した流星群の測光映像の解析を終え、成果を論文にまとめる。平成29年7月から1年間観測する分光映像の取得、解析および成果の論文化は、研究期間を1年延長申請を行い、対応する計画である。論文にまとめた成果を国内外の学会や研究集会で発表を行う。また、本研究で得られた映像データを使用した共同研究を進める。 使用額の使途は、主に国際学会への参加費、海外の共同研究者との共同研究のための旅費、論文投稿料、映像データ解析補助の謝金である。
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