研究課題
本研究は、天候の影響を受けない高度約400㎞を周回する国際宇宙ステーション(ISS)から、超高感度ハイビジョンカメラにより、ISSの夜間に連続的に動画撮像することで、時間的空間的に偶発的に発生する流星を視野の許す限り多く観測することを目指す。一定の高度から同一の観測装置を用いて、毎年同じ時期に出現する主要流星群の測光および分光観測を一年ずつ行うことにより、流星群の流星塵のサイズや化学組成、流星群の母天体の組成について、統計的な議論に基づき理解することを目的とする。当初は2016年7月から2年間の観測予定であったが、半年間延長し、2019年3月30日に全観測を完了した。延長の理由は、主要流星群の極大期が満月で背景が明るく観測条件が悪かったり、ISSに係留する輸送船による汚染防止のため、観測窓のシャッターを閉める必要があったこと、観測装置を構成するISS共通のノートPCや電圧変換用インバータの故障のため観測ができなったことなどである。観測装置及び観測データを記録したHDDは2019年6月に輸送船により地球に帰還予定である。2年半の観測で、約30テラバイト、約3000時間分の動画データが得られた。ふたご座流星群やペルセウス座流星群を含む12個の流星群の測光観測及び11個の流星群の分光観測に成功した。2018年から5月までの観測データの初期解析結果について2018年7月のISS R&D会議で発表した。また、2019年1月のしぶんぎ座流星群までの観測結果は2019年2月のIDP2019国際シンポジウムで発表した。また、千葉工業大学人工知能・ソフトウェア技術研究センターと共同で「メテオサーチチャレンジ」コンペを主催し、機械学習とディープラーニングの技術を活用し、動画から流星が映る部分を自動抽出するアルゴリズム開発を行った。現在、そのアルゴリズムにより抽出した流星データの解析と論文作成作業を進めている。
すべて 2019 2018 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 6件、 招待講演 3件) 備考 (5件)
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