研究実績の概要 |
本研究では大気圧中で正負イオンを発生し,これらをイオン流として輸送して移動度分離を行い,分離された励起種を照射利用することによって農業での肥料や,種苗の育成前処理に応用しようとしている.移動度分離にはゲルディエンコンデンサーの構造を利用しており,大気圧プラズマ中でのコンデンサーの動作原理と性能評価を行う必要があり,平成27年度はイオン源装置と,独立のゲルディエンコンデンサーを設計製作して,研究を行った. ゲルディエンコンデンサーについては電流電圧特性の再現性などについて調査し,学会発表二件,M.C.C. Lacdan and M. Wada,25th International Toki Conference,Paper No. P1-11,Lacdan Ma Camille Corrales、Wada Motoi, 21p-P4-1,第63回応用物理学会春季学術講演会,に加えて,学術誌に論文一件,Ma Camille C. Lacdan and Motoi Wada, Plasma and Fusion Research, Volume 11, 2401015/1-4 (2016).)を発表した.当初の目的どうりの成果を上げ,また,装置の表面状況が変化し,見かけのイオン密度が変化する可能性があると言う,新たな知見も得られた. 大気圧発生部分については現状,当初の見込みから比べてイオン化効率が低いと言う結果になっている.そこで針状電極の電界集中効果と,磁場による放電路形成効果により改善が可能か調査した.本調査は現在も継続している.放電部分の基本設計をM. Wada他, 25th International Toki Conference, Paper No. P2-3, November 2015, Gifu, Japan.にて報告した.
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