本研究では,ラジカル対(RP)反応での磁場効果の観測に対して新しい微視的アプローチの開発,評価,比較を行った.このようなアプローチは,動物がもつ磁気受容のメカニズムを細胞レベルで解明する上で重要である.そこで,1)観測軸に対して任意方向に磁場を印加し,さらに高速に切替かつ振動する磁場を試料に印加可能にすること, 2)多波長で時間分解光吸収(TROA)信号の同時取得を可能にすることを目標とした. 本研究により,2つの新規顕微鏡が開発された.1つは全反射照明蛍光(TIRF)顕微鏡に基づいており,1)を達成し個々のRPの観測を可能にする.もう1つは,1),2)を達成するTROAに基づく顕微鏡である.
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