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2016 年度 実施状況報告書

新奇高強度中赤外光源の開発とDNA塩基の脱励起メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 15K13620
研究機関東京工業大学

研究代表者

宮崎 充彦  東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (00378598)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード分子分光 / 中赤外レーザー
研究実績の概要

本研究は、CdSe結晶中での差周波発生を利用し、18~10 μm (550~1000 cm-1)の指紋領域における赤外分光を可能にする新たな中赤外コヒーレント光源の開発、および超音速ジェット冷却された気相孤立分子、クラスターに対する赤外分光への応用を目的としている。
28年度は、27年度の課題として残った2ミクロン光の改良、CdSe結晶を利用した中赤外分光へと進めることを予定していた。しかし、他のレーザー装置を利用する予定だった研究課題の一つが、本課題で利用する赤外レーザー光源を利用した測定を行わなければ研究を進められないことが明らかとなり、年度の大半をその測定、実験に充てることになった。この新たな課題への対応からは、100ナノ秒までの時間分解赤外分光に対する新たな経験と実績を得ることができた。この時間領域は、超音速ジェットを利用した気相分子、溶媒和クラスターの反応を実時間追跡するにはかなり遅い時間領域の測定であり、測定には多くの困難があった。しかし、本課題におけるこれまでの赤外光源の改良も功を奏し、新たな時間領域での時間分解赤外分光が実現できた。その結果、光励起に伴う溶媒再配向ダイナミクスが通常考えられているピコ秒オーダーよりも3桁以上も遅いナノ秒スケールになりえることを示すことに初めて成功した。
一方で、本課題で計画していた開発に充てる時間の確保には困難が生じたため、29年度への課題の延長申請を行い、引き続き開発の継続を行うこととした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

装置の使用計画が大幅に制限されたことに加えて、年度の最後平成29年3月からは、ドイツ、フンボルト財団の研究員としてドイツへ赴くことになったため、開発に充てる時間を十分確保することが困難であった。そのため上記の評価とした。

今後の研究の推進方策

本年度は、赤外光源の開発を進め、課題を完了させる必要がある。もう一つのポンプ光である2ミクロン光の改良を進めた上で、CdSe結晶による中赤外の差周波発生を行う。結晶角度の制御プログラムの改良を行い、測定システムとしての完成度を高める。そして、超音速ジェット冷却された分子、溶媒和クラスターの赤外分光への応用を目指す。

次年度使用額が生じた理由

28年度は、他の課題への対応などから本課題の研究、開発を十分に進めることができなかった。そのため、次年度への研究課題の延長を申請し承認された。29年度は、延長繰り越しされた資金を利用し研究を進める。

次年度使用額の使用計画

課題の完了に向けて、29年度における光源開発に必要とされる、光学部品などの購入に充てる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Theoretical Study on the Size-Dependence of Ground-State Proton Transfer in 1-Naphthol-Ammonia Clusters2016

    • 著者名/発表者名
      Toshihiko Shimizu, Mitsuhiko Miyazaki, and Masaaki Fujii
    • 雑誌名

      The Journal of Physical Chemistry A

      巻: 120 ページ: 7167-7174

    • DOI

      10.1021/acs.jpca.6b07079

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 5-ヒドロキシインドール水和クラスターの時間分解赤外分光 -イオン化誘起異性化反応ダイナミクスの実時間観測-2016

    • 著者名/発表者名
      内藤 あゆみ、宮崎 充彦、迫田 憲治、関谷 博、藤井 正明
    • 学会等名
      第十回分子科学討論会
    • 発表場所
      神戸ファッションマート、兵庫県神戸市
    • 年月日
      2016-09-13 – 2016-09-13

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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