本研究はCdSe結晶中での差周波発生を利用し、10-18 μmの指紋領域の赤外分光を可能にする中赤外領域のコヒーレント光源の開発と気相孤立分子に対する応用を目的とした。 可変3 μm光の出力およびモードの向上のため、色素レーザーを両面励起へと改造し、約20%の出力向上を達成した。しかし、CdSeを用いた差周波発生では、十分な強度の赤外光の発生を再現性を持って確認できなかった。想定していた光学配置だけでなく、様々な光学配置を試したが赤外光の安定的な発生は見出だせなかった 気相分子クラスターの時間分解中赤外分光測定を実施し、100 nsまでの遅い遅延時間に対する時間分解中赤外分光測定に成功した。
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