光によって2つの異性体間を可逆的にスイッチング可能な分子系を対象とし、片方の異性体の励起状態をナノ空間に局在化させる方法論の開拓を目指した。試料には閉環体で強い蛍光を発し、開環体で蛍光を発さないジアリールエテン(DE)誘導体を主として用い、ナノ局在化の評価のために、DE誘導体のナノ粒子を調製した。UV及び可視のCWレーザー光をそれぞれ閉環反応、開環反応誘起に用いた。基板上の単一DEナノ粒子に対して、UV及び可視光の強度と空間分布を種々検討し、超解像局在化の最適条件を探索した。その結果、45 nm程度の領域に励起状態が局在化でき、提案したコンセプトに基づく励起状態の超解像局在化が実証できた。
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